【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢




「今、お母さんの両親の気持ちが



初めてわかった気がしたよ。





でも…

お父さんは反対される辛さをよく知っている。






反対されればされるほど意地になることも。






高校の時は、我慢させてしまって悪かったな…


香澄が、自分の気持ちを押し殺して、頑張っていたことを



お父さんわかってたよ。





もう、いいんだ。


香澄の人生は香澄のものだ。



親のための人生じゃない。






幸せになりなさい。




お父さんは、快く、嫁に出してやりたい」











「お父さん…」





お父さんは両手で自分の顔を覆った。




「すまん…泣いても…いいか」






お父さんは声を出さずに泣き始めた。




どんな意味の涙なんだろう…






お母さんのお葬式でも、



泣かったのに………









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