【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
部屋に入り、湊太くんから教えてもらった家の電話番号に
電話をかけた。
《もしもし》
「湊太くん?」
《おぉ!どした?こっちからかけ直すか?》
「大丈夫。
あのね…アルバムを出すことになって…」
《すげ−じゃん!おめでとう!》
「ありがとう…それでね…
年明けから一年間、交響楽団と一緒に全国周って、コンサートをしないかって…」
《…………そうか…
すげ−
すげ−−じゃん!!!》
「私、断ろうかなって思ってて…」
《なんで?》
「早く結婚したいっていうか…早く毎日一緒にいられるようになりたいから」
なんか恥ずかしい。。。
《もったいないよ。そんないい話断るの。
香澄の演奏を生で聞きたい人がそれだけたくさんいるって事だろ?
ありがたい話じゃん。
やってみろって。
ていうか…やれ!!
旦那の命令だ−なんてな!
7年間会えなかったんだ。
1年間ぐらい超みじけ−じゃん。
大丈夫だよ。
もう…そう簡単に壊れるような関係じゃないだろ?》
「うん」
《とにかく土曜日には挨拶しに行くから、待っとけ》
「うん」
《じゃあ…な》
「うん…」