【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
結局、
悩んで悩んで、一年間全国各地を演奏しに周ることになった。
そうだよね…聞いてくれる人達がいるって
ありがたいことだよね。
待ちに待った土曜日の午後、
駅で湊太くんを待った。
改札の前に立っていたら、
湊太くんが現れた。
う…………うわっ……
改札を通って、一言。
「めちゃめちゃ遠いな」
ていうか…すごい荷物。
ていうか………
「…………ス−ツ?」
湊太くんは顔を真っ赤にした。
「結婚の挨拶だ!ス−ツに決まってんだろ!」
だらし無く制服を着ていた湊太くんから
全く想像できない。
ビシッと決まっていた。
「すっごく似合ってるよ!
かっこいい///」
「あんま見んな!照れるから!
ほら、行くぞ!」