【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
+++香澄side+++
朝、いつもの電車内の読書タイム。
今日から、映画『天空の城ラピ○タ』の小説版を読みはじめた。
映画は見た事があったけど、
こうやって文章で読むと、細かい心理描写や背景…すごく想像が頭の中で広がる…
パズ−が素敵過ぎる…
シ−タをすり抜けながら掻っ攫うこのシ−ン…
龍馬さまもいいけど、
パズ−は私の理想だわ///
そんな事を考えていたら、
本の上に、ぽんっと紺色の手帳のような物が飛んできた。
え…?
周りを見渡すと、いつも私の前に座る不良が、
次の駅で降りるために、ドア前で立っていた。
そっと手帳を開くと、
【坂本 湊太】と書いてある横に、
不良の顔写真…
こ………これ…
不良の生徒手帳??
坂本って…龍馬様と同じ姓…
坂本…不良ま……?
その時ドアが開いて、坂本くんが、降りた。
ま…待って………
私は立ち上がって、
今にも閉まりそうなドアに向かって走った。
ドアに挟まれそうになった時、
坂本くんが、ホームから私の腕を引っ張った。
「あっ…!」
その時ドアがしまり、
バランスを崩して転びそうになった私を
坂本くんは
抱き止めてくれた…