【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
初めてうちのボロ家を見た湊太くんは、
外からボロ家を見上げて
「なんか俺んちに、似てんな」
と笑った。
「私もね、湊太くんの家に行った時、うちに似てるって思った」
あはははっと二人で笑って、
湊太くんは大きく深呼吸した。
「超…緊張すんな。
よし!気合いだ!!」
そう言って、たくさんの荷物を抱えながら、
湊太くんはうんうんと一人で頷いた。
玄関に入ると、すでにお父さんが立っていた。
「うわっ! お父さん!
待ってたの?」
お父さんはそわそわしていた。
「緊張して居ても立ってもいられなかったんだ。
和室に来てもらいなさい」
そう言ってお父さんは
玄関入ってすぐ左の自分の部屋の和室に入って行った。
え…和室?
「おじゃまします!!」
湊太くん…大きい声だな…