【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
休みの日、何をするにも湊太くんが奪って、
家事のほとんどをやってくれた。
掃除機ぐらい…と思って、掃除機のスイッチを入れたら、
湊太くんが飛んできた。
「休んでろって」
湊太くんは掃除機を引っ張った。
「掃除機ぐらいできる!
湊太くんは心配し過ぎだよ。
妊娠は病気じゃないんだから!」
私はまた掃除機を引っ張りかえした。
「心配に決まってんだろ!
休んでろって
ほら!」
ガタン!!!!!
湊太くんが引っ張った掃除機が、
ピアノに当たった。
「あ…ごめん!!大事なピアノなのに……
やべ−−傷ついた…」
見ると、お父さんの傷の隣に
まるで同じ形の新しい傷。
思わず笑ってしまった。