【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢



「待ってくれて、ありがとうございました」


次の電車が来て、香澄ちゃんは頭を下げた。




「あ…いや…こっちこそ


手帳ありがとな」





「いえ…」




俺と目…合わせね−な。





しかもやっぱ敬語だし。







「また…な」






「はい」




そう言って、香澄ちゃんは電車に乗った。





「なぁ…俺の名前、



覚えた?」




開いたドア前に立って、こっちを向いてる香澄ちゃんに聞いた。



しばらく下を向いて香澄ちゃんは考えていた。


あれ。やっぱ忘れたか。。


そして真っ赤な顔をあげて俺を見た。







「湊太くん!」





言い終わると同時に



ドアがしまって






電車が走り出した。




ちょっとはにかみながら、

ちょっと大きめの声で呼ばれて、





俺は撃沈された。







< 22 / 179 >

この作品をシェア

pagetop