【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「湊太−
あたし、今日湊太んち行ってもいいけど。
湊太は?」
放課後、
俺の斜め前の席の女、杏奈(あんな)が声をかけてきた。
杏奈は、暇になると俺の家にきて
やる。
そこに恋愛感情はなくて、
杏奈には他校に彼氏がいるし、
セックスの相性がいいから、
なんとなくそんな関係を続けていた。
「あ…俺ちょっと今そんな気分じゃね−や
わりぃ」
俺はかばんを持って立ち上がった。
「なに?彼女でもできた?
ていうか…
湊太は彼女できても、あたしとはやってたじゃん。
なんかあった?」
杏奈が近づいてきた。
香水の匂い…あんまこの匂い好きになれね−
茶髪の巻き髪、派手なメイク、胸元がっぽり開けて着ている制服。
短け−スカート。
俺と杏奈が、一緒に歩いていたら、
同類に見えるんだろうな…
「べつに−
杏奈には関係ね−し。
彼氏大事にしろよ。
俺、もう杏奈とはやんね−から」
杏奈は付けまつげバサバサの目で睨んだ。