【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
次の電車がきた。
なんとなく、乗る雰囲気ではなかった。
降りた人たちが、階段に行くまで、
二人…沈黙が続いた。
結局電車は発車して、
またホームに二人になった。
夕方になって、ちょっと寒くなってきた。
「自分に…自信がないんです。
私なんか湊太くんに
不釣り合いだと思うんです。
地味だし、男の子とお付き合いどころか、話しもろくにしたことがないので、
私なんか…つまらないと思います」
そんなことが言いたかったんじゃないのに……
私………
私もきっと
きっとこの気持ちは…
湊太くんの事が………
好き………
「俺…初めてなんだ。
女追いかけんのとか
一目惚れなんかしたことね−し。
見た目こんなだから、信用できね−かもしんないけど、
俺、本気だから。
いいんだよ。
俺が楽しくしてやるから」
優しい………
優しいんだな…………
「俺の彼女になる?」