【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「じゃあ…とりあえず…
携帯教えて?」
そういって湊太くんは、携帯を出した。
「あの…携帯は学校に持って行ってはいけなくて、
家にあるので…
今度…交換してください」
そっか…と湊太くんは携帯をしまった。
その時、電車がきた。
すっと手を繋がれて、
ばっと思わず手を振りほどいてしまった。
「ぁあ??」
湊太くんが睨んだ。
「あの!電車に人いっぱい乗っているし……
恥ずかしいので!!!」
電車に乗ってドア付近に二人で立った。
目の前に湊太くんがいて、
さっきまで、彼女と思い込んでいた人と同じ状況に自分がなるなんて
思いもしなかった…
ドキドキドキドキものすごい勢いで動いている心臓を手で抑えた。
「まぁ…少しずつやっていくか…」
そう言って、湊太くんは私の頭を撫でた。
私は周りの目が気になって仕方なかった。