【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
土曜、日曜と、いつもと変わらない日を過ごして、
これは夢だったんじゃないかと、
何度も思った。
月曜日の朝、いつもと同じように学校の準備をして、
電車に乗った。
今日はクリスマスコンサートで弾く曲を、
電車内で聞きながら座った。
目を閉じて聞いていると、まるで自分がホールで弾いている感覚になって
楽しい…
何度も何度も繰り返し聞いていたら、
右耳のイヤホンが外れた。
あれ………?
パッと目を開けて
右側を見たら、
左耳にイヤホンを入れている湊太くんが座っていた。
あ…………髪………///
ちょっと首を傾げながら私と同じ音楽を聞いている湊太くんの髪は、
スポーツ刈がちょっと伸びた感じまで、短くカットされていて、
色も黒に近い、落ち着いた茶色に染められていた。
クリッとこっちを向いて笑った。
一気に………幼くなった………
素敵………すぎる///
きゃあ……………/////
「ピアノ?これ?」
相変わらず制服はダボっとしていたけど、
ちょっと…いやかなり印象が変わった。