【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
香澄ちゃんを見送って、
また電車を乗り換えて、
自分の学校の駅に降りた。
時間的に調度いい。
明日から毎日こうするかぁ…と考えていたら、
杏奈が俺の前にいきなり立った。
「湊…太……????
ど−しちゃったの!!!
その頭!!!
超びっくりなんだけど!!
しかもこの前の女…何?
金持ち学校の女じゃんあれ。
まさかあの女に合わせて、髪型変えたの???」
杏奈…超うぜー
話なげ−−−
「あれ、俺の彼女」
手を叩いて爆笑している杏奈を置き去りにして
俺はすたすたと学校へ歩いた。
「ちょっと−待ってよ−
冗談でしょ?
湊太とは住む世界が違うって、あの子。
遊んじゃかわいそうだよ」
俺は立ち止まった。
「俺、超マジだから。
大切にしたいと思ってっから。
こんなふうに思える女に会えたの
初めてだから」
杏奈はびっくりした顔をして立ち尽くしていた。