【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
放課後、湊太くんの学校がある駅のホームに降りた。
電車の中から小百合が手を振っている。
私も手を振って、電車は動き出した。
ホームのベンチに座って湊太くんを待った。
私の方が早かったのかな…
それとも帰ってしまったとか…
またあの女の子と一緒にきたら、私どうしたらいいんだろう…
でも、でも私…彼女だもん!
うん、うんと一人で頷いて自分に喝を入れた。
「か〜すみちゃん」
ん??
湊太くんとは違う声で呼ばれて、
声の方向を見た。
「大星はこのホームじゃね−だろ!」
見ると湊太くんと、更に不良度の高い、男の子が立っていた。
二人とも、背が高いのに
制服が…だらしなくて…もったいない。。。
私は立ち上がった。
「俺、藤木大星!
よろしくね〜〜」
大星くんは、私に手を出した。
するとその手を湊太くんが握って
「はいはい。よろしくよろしく」
と握手した。
「お前帰れ。大星のホームはあっちだろ。
また明日−−−」
すると大星くんは私に一歩近づいた。
「香澄ちゃん。
湊太の事、本当に、よろしく頼むな」
あれ……大星くんも、見た目と違って優しいんだな…
「はい」
私はコクりと頷いた。
「湊太−お前超掘り出しもん見つけたな−!
んじゃ−な!!」
大星くんは歩いて行ってしまった。
「物じゃね−し。
なんかごめんな」
優しく頭を撫でられて、また胸がきゅ−っとなった。