【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「お母さん…ピアノの先生だったの。
その影響で私も」
優しくも怖くもあった、
お母さんの記憶。
「今度ピアノ聞かしてよ」
湊太くんが覗き込んだ。
「緊張……するな…」
するとニコッと湊太くんは笑った。
「俺なんかに緊張することないよ」
そんな……
「緊張するよ。
そんな…好きな人の前で弾くなんて
すごく緊張する」
湊太くんはますます私の顔を覗き込んだ。
「好きな人?」
顔………近いな……
「うん」
「じゃあ…キスしていい?」
……………/////
バシッと湊太くんの肩を突き飛ばしてしまった。
「いってぇ−な!
なんだよ!ちょっとぐらいいいじゃん!」
ちょっ!!ちょっとって!!
キスにちょっとも何もあるの!!!???
「こ!!!こんな人前で!!!
できるわけないでしょ!!」