【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
顔面に血液大集合…
「大事にしてくれるって言った…!」
湊太くんは短い髪をくしゃくしゃっとした。
「大事に…キスする。うん」
…………ええ?
「ちょっと…よくわからないんだけど」
湊太くんはまた私の顔を覗き込んだ。
「やってみりゃ…わかんじゃん?」
「わからなくていい…」
「…んだよ−−−」
ちょっとむくれてから、ふっと笑った。
「敬語じゃなくなった」
あ……そういえば……
「なんか俺……
ちょっとしたことが超うれしい。
俺……どうしちゃったんかと思うよ」
湊太くんはちょっと暗くなってきた空を見上げて
そうつぶやいた。