【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「門限までには帰さなきゃな。
次の電車には乗るか」
「…うん」
甘えられると恥ずかしくなって、突き放したくなる。
でも…
放れようとされると、寂しくて甘えたくなる。
私って……勝手。
もう少し一緒にいたいのに。
もう少し…触れていたいのに…
もう少し湊太くんを見ていたいのに…
好きな人ができるのって、いろんな気持ちになるんだな…
こんな気持ち…知らなかった…
湊太くんが降りる駅より二つ先の終点が、私の降りる駅。
次にきた電車に一緒に乗って、
湊太くんは一緒に終点まで来てくれた。
「改札まで見送るよ」
そう言って、ホームで手を繋がれた。
恥ずかしくなかった。
離れるのが…寂しすぎた。