【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
改札まで一緒に手を繋いで歩いていたら、
もうこの世の別れぐらいの気持ちになってしまって、
涙が出てきてしまった。
バカみたい…私。
「ん?」
湊太くんが立ち止まって私の顔を覗き込んだ。
「どした?」
どうしたって
すごくすごく………
「離れるのが、寂しい!」
下を向いて大泣きしてしまった。
涙が止まらなくなってしまった。
本当にバカみたい、私。
明日だってあるのに
日曜日だっていっぱい一緒にいようって
言ってくれてるのに…
なんでこんなに涙が出るんだろう…
湊太くんはキョロキョロと周りを見渡していた。
困らせてる…
「ごめんね…私、ばかみたいだよね。
こんな…困らせて…」
湊太くんは突然ぐいぐいと私の手を引っ張った。
ひと気のない、大きな柱の裏に連れていかれて、
抱きしめられた。
「だめって言うなよ
もう聞けね−から」