【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「なぁ…やっぱ香澄ちゃんもさ、
お嬢様……なの?」
……………ドキッ
お嬢様……
「……どうして?」
「いや…大星がさ、
香澄ちゃんの学校って
金持ちしか通えないっていってたからさ。
香澄ちゃんもお嬢様なのかなって。
お嬢様だったら…
俺みたいなバカ高校のチャラい奴なんかと付き合ったら、
お父さんに反対されんじゃね−かと思ってさ」
どうしよう……
湊太くん、私の事お嬢様だと思ってる。
確かにうちの学校、私以外はみんなお金持ちだ。
ここで、私は所得の少ないサラリーマンの娘で、
築45年の古い家に住んでいると言ったら
湊太くんは私を嫌いになるだろうか……
やだ…
嫌われたくない……
言えない……
「お父さんは…気にしないで。
全然…大丈夫だから」
ひとつ…湊太くんに
秘密を作ってしまった…