【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「彼と別れて、
一流音大にいく人生と
すべてを捨てて、彼と一緒に暮らして、赤ちゃんを産んで、
彼と家庭を築いていく人生と
春菜先輩、どちらが幸せだったんだろう」
私だったら…どうしただろう…
あの時、
春菜先輩の涙を見た時、
私は恋をしたことがなかったから、
春菜先輩の気持ちが、わからなかった。
掛ける言葉がみつからなかった。
もしかしたら、心のどこかで、
彼氏のせいで、停学になるなんて、最悪…とか思っていたかも。
春菜先輩をちょっと軽蔑してしまっていたのかもしれない…そう思った。
でも今、私は恋をしていて
春菜先輩の気持ちが、少しわかるような気がする。
「春菜先輩みたいなお嬢様は、同じような財閥のご子息とかと結婚したほうが幸せだって。
同じ金銭感覚の人とじゃないと、うまくいかない気がする。
金の切れ目が縁の切れ目ってね」
小百合……現実的過ぎる。。
小百合もお嬢様だからな…
「香澄の彼は………どんな家の人?」