【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
私と向き合うように立っている湊太くん。
顔が見れない。
話しかけられない。
今、口を開いたら、
私、何を言い出すか、わからない。
湊太くんも、何も話さなかった。
ずっと黙ったまま…
次は湊太くんのマンションがある駅。
降りちゃうよね。
怒らせちゃってるよね、こんな態度。
駅に着いて、
湊太くんは、
降りた。
そして、
湊太くんは、ホームから私の腕を引っ張り、
私も電車から降ろされた。
電車のドアが閉まり、動き出した。
「こんなんじゃ、帰せね−だろ」