【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
行為
「……なんで?」
湊太くんは両手をスボンのポッケに入れて、
私の顔を覗き込んだ。
「好き…好きなの…
好き……
好き…………」
私は下を向いて、泣きながら湊太くんの胸に、おでこをつけた。
「なんかあったか?
んじゃ……行くか」
湊太くんは私の頭を撫でてから、
手を繋いだ。
私は頭も心も嫉妬で埋めつくされていた。
湊太くんのマンションは駅からすぐで、
一本のトンネルのような道でつながっていた。
すごい…高層マンション…
綺麗な広いロビー
エレベーターに乗って押したボタンは
最上階だった。