【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
本当………なんだ……
本当………なんだね…
そっか……
私はマグカップを置いた。
「香澄ちゃんに会うまでの話しだ」
湊太くんはドカッとソファーに座り直した。
「俺が信じられない?」
湊太くんがちょっと睨んできた。
「今までの俺を思えば信じられないだろうけど、
香澄ちゃんを大事にするって言ったこと、
信じてほしい」
私は頷いた。
「それ飲んだら、送るよ。
あんま遅くなっても、
お父さん心配するだろ?」
え……
私、覚悟してきたのに
他の女の子が知っている湊太くんを
私も知りたい…
どうやって抱くの…
どうやって甘い言葉を囁くの……
いくって……どんな感じなの……
私だって………
湊太くんは立ち上がった。
私も立ち上がって、
後ろから抱きしめた。
「私…まだ帰らない」