【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
+++湊太side+++
帰らないって……どういう意味で言ってんだよ。
「今…言ったじゃん。
大事にするって」
後ろから抱きしめている香澄ちゃんの手を軽く叩いた。
「………好き」
なんだよ……かわいいな。
「わかった」
「すごく……好き」
なんだよなんだよ。嫉妬ってムカついてたけど、
香澄ちゃんの嫉妬はなんかうれしい。
「送って行くって」
俺は香澄ちゃんの腕をほどいて、
クルッと香澄ちゃんの方を向いた。
ウルウルした瞳で睨まれた。
香澄ちゃんの頬を撫でて、ちょっとだけキスをした。
目を開けたら、まだ目を閉じている香澄ちゃんの顔があった。
あ………あの………
我慢……できませんけど。
ぎゅっと抱きしめて、深く深く
香澄ちゃんの舌を求めてしまった。