【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
+++香澄side+++
今日もまた、駅のホームで湊太くんを待った。
ちょっと気まずい…
やっぱりできなかった。
怖かった。
私…嫌われちゃうかな…
「どうも…」
ハッとして顔を上げると、
またあの派手な女の子が立っていた。
今度は何言われるんだろう……
やだな…
「隣、座っていい?」
「どうぞ……」
女の子は隣に座った。
「なんか…ごめんね」
えっ?
思わず、女の子の方を見てしまった。
本当に大人っぽくて、綺麗な人だな…
「私、セフレなんて言って、傷つけて。
ちょっと…あんたがうらやましかった」
……私が?
うらやましい?
「どうして…私なんか地味だし、
かわいくないし、
あなたの方が…
私の方こそうらやましかった」
女の子は笑った。
「だってあんた、【純粋】じゃん。
【純粋】って…
私みたいに一度汚れたら、
もう二度と【純粋】には戻れない」