【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「本当だね…
なんであなたに言ったんだろう…」
すると女の子は携帯を出した。
「ね…アドレス交換してよ。
あたし、杏奈。あんた名前は?」
………え?
「香澄。あの…携帯は学校に持っていっちゃいけなくて、
家にあるんだ。
だから、湊太くんとも交換できてないの」
杏奈はそっか…と、かばんから手帳とペンを出した。
「どこの携帯?」
「○○○バンク」
「なんだ、同じじゃん。湊太もだよ。
じゃあ…あたしのと、湊太の書いておくから…」
杏奈は携帯を見ながら番号を書きはじめた。
そしてビリビリっと破いて、私に渡した。
「香澄の家の話、あたしに話してくれて…
なんかうれしかった。
あたし…あんま女友達いないからさ…
あ……、あたしから湊太には絶対に言わないから。
安心して…
あ、やば、湊太きた…
じゃあね」
杏奈は急いで階段へ走った。
途中で湊太くんに何か言って、階段へとまた走って行ってしまった。