【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
杏奈はバックからドサドサと服を出してきた。
「デートって1回なわけないでしょ?
こんだけ貸しとく。毎回来るのもきついし。
あと、これ、化粧品。
これはあげるよ。
使い方今から教えるから、覚えな。
まず……はい、これに着替えて」
渡されたのは、白いフワフワしたブラウスに、黒いヒラヒラが何段も重なったミニスカートだった。
「短くない?」
「全然?あたしがはいてる方が短いけど」
………確かに。
「香澄にも大丈夫な大人しめの選んだつもりだけど。
後これ、ジャケットにバックに……
あ……靴はあるよね?」
靴……
「黒いブーツなら…去年買った。あまりの寒さに」
「黒…じゃ大丈夫か。
はい、着替えたらここに座る」
それから、杏奈はひとつひとつ丁寧にわかりやすく、
化粧の仕方を教えてくれた。
ばかなこと言ったり、
大笑いしたり、
なんか……すごく
楽しかった。