【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「髪の毛、横にひとつに縛ってみたら?
ほら」
化粧が終わり、杏奈は自分の手首につけていたシュシュを渡してきた。
「ありがとう…」
髪をひとつに横に束ねて、
杏奈が貸してくれたバックに携帯とか財布をいれて、
ジャケットを羽織って、
「どう……かな…?」
杏奈はジャケットや私の髪を整えて、満足そうに笑った。
「湊太びびるよ…くくっ!!
あ…あたしに借りたことは絶対に湊太には内緒ね。
うるさそうだから」
杏奈は片付けをし始めた。
「杏奈…本当にありがとう。
感謝してる」
杏奈は私をバシバシ叩いてきた。
「気にしないって!!
悪いんだけどさ、このデカイバックごと置いていっていい?
あたしこのまま…ちょっと用事があるからさ。
狭い部屋がさらに狭くなって悪いけど!」
狭い狭いって。。。