【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
杏奈を改札まで見送って、
まだ待ち合わせまで時間があったから、
コンビニで時間をつぶしていた。
ココア味の飴?
湊太くんココア好きなのかな…
そう思ってココア味の飴を買って、コンビニを出た。
そろそろ…かな…
改札を通って、
湊太くんと初めてキスをした大きな柱の前に立った。
ここに立つと、キスを思い出しちゃって
ひとりで顔を熱くさせてしまった。
ホームの方から人が何人か階段を上がってきて、
湊太くんを探した。
あ…湊太くんだ……
帽子の部分に茶色ののフワフワがついている黒いジャケット、
焦げ茶色のカ−ゴパンツを履いていた。
湊太くんはジャケットのポケットに両手を入れて、キョロキョロしていた。
私…ここですが。。
湊太くんは私をじっと見た。
そして目を反らして、改札の方を見た。
あれ………
仕方なく、私の方から近づいた。
肩を叩いた。
「湊太…くん?」
湊太くんは私を上から下へと何度も繰り返し見た。
「うっ………え????
………え???え???
え−−−−−−!!!!!!」