【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
電車に乗って、なんだかまだ怒っている湊太くんの顔を覗き込んだ。
目が合うと、また湊太くんは自分の短い髪をくしゃくしゃっとした。
「あんま見んなよ…」
なんか…湊太くん、不機嫌だな。
あ…飴。
「湊太くん、飴食べる?」
はあ?と湊太くんはこっちを向いた。
「なに味?」
「ココア」
「いらね」
本当に不機嫌だな……
もう。。。
私はパクッと飴を食べた。
「おいしいよ?」
「いらねって」
しかたなく飴の包みを剥がして、
飴を持ってあ〜んとしてみた。
「ちょっ…ちょっ…待て。
本気でやめろ」
湊太くんは下を向いてしまった。
ますます怒らせてしまったか…
作戦失敗。。。