【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「次、乗り換えだから」
電車の外を見ながら湊太くんが言った。
そっか…
次の駅で、電車を降り、
違うホームへと歩いた。
ぶんぶんと繋いだ手を湊太くんが引っ張って歩いた。
早いよ……
一生懸命ついていくと、
細い路地に入って、ひと気のないところで
ギュッと抱きしめられた。
「我慢できね−」
そういって、湊太くんがキスをしてきた。
……あ……まだ飴が…
激しく舌で口内を掻き回されて、
飴を奪われた。
「もらった」
そして頬を撫でて、またちゅっと優しくキスをした。
はぁ……湊太くんのキスは
なんかすごくエッチな気分になる…
湊太くんは私の頭をポンポンとして
また手を繋いで歩きだした。
「飴がほしかったの?」
そしたら湊太くんは私の耳元でつぶやいた。
「香澄がほしかった」
香澄………初めて呼び捨てにしてくれた…
うれしい…