【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
湊太くんに連れられて行ったお店は
高級感たっぷりのレストランだった。
「こんなところに……」
びっくりしている私をよそに、
湊太くんはどんどんレストランに入って行った。
店内は天井が高く、白と黒で統一された、
本当にオシャレなレストランだった。
「坂本様、お待ちしておりました」
湊太くんは…何回も来ているのかな…
お姉さんって本当に何している人なんだろう…
着ているジャケットを預けると、
なんだか二人ともこのレストランには不似合いな服装だな…と思った。
お店はランチタイムなだけに、混雑していた。
お店の人に通されたテ−ブルに座ると、
すぐ横に、
グランドピアノが置いてあった。
「ピアノだ……」
「な?香澄にぴったりのお店だろ?
食べ終わったらでいいから、
聞かしてよ…」
そう、うれしそうに言った湊太くんの向こうのテ−ブルの人が何人か、
こっちをじろじろと見ているのに気づいた。
なんだろう………
なんだかお店の人も、
そわそわしている感じがした…