女装男子!

ぽけーっとしながら、その後ろ姿を見送った。


「へぇ、ゼロも意外と優しいとこあんね」

ヨッコは笑いながら、男子生徒の名前を呟いた。


「え、ヨッコ知り合い?!」
「うん、うちの部員だよ」


ヨッコは、剣道部のマネージャーをしている。

「へぇ、そうなんだ・・・」

渡された80円を、強く握りしめて“ゼロ”という名前を忘れないように、心の中で繰り返した。
< 10 / 139 >

この作品をシェア

pagetop