果てない恋色空




「…おい、

名無しの権兵衛」




ちょうど土方がやって来た。


なんだよ、

名無しの権兵衛って…




「土方さん、なんすか?
名無しの権兵衛って」


平助が言った。




「オマエに名がないからだ」





「名は、ある」



私は小さな声で言った。




< 17 / 62 >

この作品をシェア

pagetop