果てない恋色空





都に出ると、

雰囲気がいつもと違った。




「……なんかあるんですか?」


私が聞くと、



「もうすぐ祇園祭だから

その準備だよ」



沖田さんがそう答えた。




「祇園祭……?」




「本当、何にも知らないんだな」



雪野がぼそりと言った。




「……柚子ちゃんは

どこから来たの?」



ギクッ………




「えっと…江戸の方から…」





「江戸かあ!



いいねえ」










< 34 / 62 >

この作品をシェア

pagetop