校則違反
「よし!んじゃ、次は麻佑な!」
先生が校門に立っている私に手招きをした。

ん?ちょっと待って今私の事だけ[麻佑]って名前で呼んだ?
嘘〜。やばい。

と興奮しながら先生に駆け寄った。

「じゃ、失礼!」と恥ずかしそうにメジャーをスカートに押し当てる。

「お前スカートみじけーよ!パンツ見られたらどうすんだ!直せよ〜」
と少し怒った顔で言う先生に私は…

「別に先生にならいいもん」
と思わず小さい事で本音を言ってしまった。

先生は
「ん?先生にならいいってどういう意味だ?」

と不思議そうな顔でたずねてきた。

私は、急に恥ずかしくなって
「なんでもないです!」
と教室に走った。
するとすかさず由衣が私に駆け寄ってきて、

「おっかえり〜。麻佑ちゃん!どうだったぁ〜?」
と私をからかった。

「どうって…まぁ普通に短いって言われて…」

と私がさっきの出来事を話そうとすると

―ガラガラ
「おー!みんなおはよう」
と三島先生が教室に入ってきた。

「今日はスカートの丈と腰パン検査があったな!男子はどうせ校門前で直してたんだろうけど、あんまり注意する奴はいなかった!でも!!女子はスカートみじけー奴多かったぞ!特に後ろの席の奴ら!後で職員室こいな」

と後ろの方を睨みながら言った。

後ろの席の奴らとは…
私を含め5、6人の女生徒だった。

…って事は私後で職員室行きって事!?

みんなは「え〜めんどくさ」などと先生を睨みつけていた。

だけど私はとてつもなく嬉しくてたまらなかった。

斜め前の席に座ってる由衣も私の方を見てニコッと笑った。
< 10 / 15 >

この作品をシェア

pagetop