校則違反
―キーンコーンカーンコーン

放課後のチャイムがなった。
すると私は急いで職員室に向かった。

みんなは休み時間に団体で行って済ましていたようだ。
私は団体で行くのが嫌で
「やることがある」と嘘をついて放課後に一人で行く事にした。

由衣は
「やったね!最大のチャンス!がんばれ〜。あたし先帰るわ」
と本当に先に帰ってしまった。

私は職員室に向かっている途中、胸の高鳴りがおさまらなくてニヤけながら必死に走った。

そうこうしているうちに
「…着いちゃった…。いや、着いた」
と髪の乱れを軽く直して職員室に入った。

「失礼しまーす。えっ…と三島せんっ…」
と私が言いかけたところで
「俺はここ!最後はお前か」と奥から先生が出てきた。
「お前の事だから、忘れちゃったーとか言ってバックレたかと思ったよ。ハハ」
と先生が笑った。

「そんなぁ。先生むかつくー」
と私はわざと少し怒ったような口調で言った。

「あー!嘘嘘。」
と先生が戸惑ったような顔で言った。

「それよりお前、スカート短すぎだよ!次短くしてきたら弁当俺がもらうからな!」

と笑ってお茶を飲みながら言った。

私は先生と一緒に笑い飛ばしたいところだけど
先生の困った顔を見た瞬間、こんな顔を毎日見てる彼女がいるのかな…

とかいろいろな事を考えて先生を一人占めしたいと
思ってしまった。

そして私の思いは止まらなくなった。

先生の注意になにも言わない私に
「おいっ!?聞いてんのか?お前」
と先生が顔を覗きこんできた。

その先生に私は
「先生…彼女いるんですか…?」
と思わず言ってしまった。
「はっ?お前なーに言ってんだぁ」
と私のおでこを突きながら先生は笑った。

私の中の悪魔はそれでも止まってくれなかった。
「なんでごまかすの?教えてよ」
と言う私に
「よしっ!じゃあ教えてやるよ!…いるよ」
と先生が言った。

その先生の言葉に私は息が止まりそうで今にも涙が出そうだった。

真剣な顔で一点を見つめてる私に
「ぷっお前なにその顔」
と先生が笑った。
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