校則違反
―キーンコーンカーンコーン

チャイムがなったと同時ぐらいに私は、図書室に走った。

由衣は、席を立つと私に駆け寄ってきて、
「先に行ってて」と軽く言って教室を出ていった。

由衣はいつもオープンで何でも大声で話す子なのに
わざわざ話しがある
なんて呼び出してなんかあったんだ!と
私は図書室まで色々な事を考えた。

それで余計に心配になって、今までより急いだ。

すると…
「廊下は走っちゃいけません!そんなの小学生でも分かるぞ?」と
優しい笑顔で話しかけてきたのは……

三島先生。

「せ、先生!!」
私は、びっくりしすぎてなかなか言葉が出てこなかった。

「なんだよ〜。そんなびっくりして!…あっ!そうだ。お前中沼と仲良いよなぁ?なんかさっき泣きながらトイレ入ってったぞ!?どうした?って言ったけど返事しねーし」

その先生の言葉を聞いて、
私は、ますます心配になって鼓動の高鳴りが消えなかった。

普通だったら先生と話せた事が嬉しすぎてドキドキしてたはずなのに、
由衣が心配で先生の事が目に入らなかった。

「泣いてたって…。あ、ありがとうございます!」
と言い残して私は、また走った。
向こうのほうで先生が

「だから走るなって!!」と
言っているのが聞こえたけと気にもとめなかった。

そして、少し走ると図書室についた。
うちの学校は、A棟B棟C棟と別れているため、移動が面倒だった。

案の定、私達の教室は、B棟。
図書室があるのはA棟。
という長い道のりだ。

そして図書室に入ると、
由衣らしき生徒が図書室のイスに座っていた。

「由…衣…?」
私がたずねると…

「あっごめんね。急に呼び出して」
と振り向いて作り笑いする由衣。

そして私がさっきの泣いてたと言う先生の言った言葉が気になったので由衣に聞こうと、

「ねぇ、それより由衣?さっき泣いて…」
と私が言いかけると
由衣が私の言葉においかぶせる様に真剣な眼差しで

「なんで那緒にだけ言ったの?」
とたずねてきた。
私は今までに見た事もないような真剣な顔で言うから
びっくりして固まってしまった。

「えっ…?」
と私が言うと……
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