校則違反

そして着いたと同時に私は早く誤解を解きたい一心で
いつもなら大量に食べ物、飲み物を頼んで由衣に怒られる位の私が
何も頼まずに話しだした。

｢由衣聞いて？あのね……｣と話しだすと…

｢ねぇ！あたしなんか頼んでくるね！｣
と話を聞くのが嫌になった様子で由衣が立ち上がった。

でも…
｢由衣待って！私の話､先に聞いて！｣
と必死で止めた。

そしてしぶしぶ座った由衣に私は話始めた。

｢私ね…確かに入学当初から三島先生の事好きだった。こんなの言い訳に聞こえるかもしれないけど…
本当は一番始めに由衣に伝えたかったよ｡だけど拓斗くんの話を嬉しそうに話す由衣を私ごときで悩ませたくなくて言えなかった。だけどやっぱり一人で抱え込むのは辛くて､ちょうどその時に那緒に聞かれたから言っ…ちゃ…って…ごめ…ん…｣

私は最後の言葉を言おうとすると急に涙が溢れてきて最後の言葉が由衣に届いていたかは分からないけど
由衣からは予想外れ言葉が返ってきた。

｢知ってたよ。あたし知ってたの｡麻佑が那緒に先に言って罪悪感を感じてたの知ってた｡だけどやっぱり今までなにもかもあたし達二人でやってきたのに
あたしに相談してくれないで那緒に言ったのが嫌で､ヤキモチ妬いて黙ってたの｣

私は溢れてきた涙がとまらなくなってなにも言えなかった。

するとなんだか全身が急に暖かくなった。

見上げると……
由衣が泣き顔で
｢麻佑ぶっさいく！｣と
言いながら抱きしめていてくれた。

私は余計に涙で言葉が出なかった。

でも由衣が……
｢ごめんね。大好き｣と言って
少しの間私達二人は
ファミレスで抱き合って泣いた。
絶対に周りの人は見ていたと思う。
でもそんなの関係ない。

私は一番大好きで大切な物を取り返したから…。

ファミレスの帰り道
｢あーもう！由衣があんな恥ずかしい事するから私恥ずかしい思いしたじゃん！｣
と私が笑いながら言うと

｢あはは。あたし達の関係なんかカップルみたいだし〜！もうお互い隠し事無しね！｣
と由衣が抱き着いてきた。
｢…私､由衣の事大好きだわ…｣
と呟くと由衣は知ってるよぉと私のほっぺたをつねった。