未定
HR(ホームルーム)

誰一人としてはしゃぐ者はいない
みんなパタパタと手で首元を扇いでいる

それにもかかわらず一人淡々と自慢話をする人間…

超熱血教師!

何度聞かされたであろう自慢話にみんな飽き飽きしている

机の下で携帯をいじる子、友達と話をしてる子、この蒸し暑さ+熱血教師にやられて寝ている子

みんな様々なことをしてる

その中であたしはただ静かに空を見上げる
季節が変われば空の景色も少しずつ変化を遂げる

あたしはそれを見るのが趣味

いろんな雲の形、空の色、夏をノックする匂い

全てが好き。

空を見てるとまわりの声も聞こえない。
カサカサと風に揺れる草木の音がBGMになって

そんなことを考えていればHRなんてあっという間に過ぎている。

下手をすれば一時限目にまで差し掛かってるときもある。

ハッとした。

熱血教師の声も聞こえない。
コソコソと話す声も聞こえない。

いつもにも増して雪音が静か

「雪音…?」

小さく呟き振り返ると、雪音は顔を真っ赤に染めて口をパクパクと金魚のようにしていた。

まるで声が出ないと言わんばかりに
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