狂愛されし少女の夢現
プロローグ
【 *幸せは絶望に 】
16回目の誕生日も 幸せな日になるのだと、誰もが思っていた。
けれど儚くも その日は人生でもっとも残虐な日になってしまった。
「君は僕のモノだよ、フラン」
焼き尽くされる 思い出が詰まった家。
虚ろな瞳のまま 炎の中倒れている、愛しい人達。
体中に飛び散った 赤い液体。
その至る所に咲き散る血の華のように、彼の瞳も 紅い。
「君が必要とするのは、この僕だけでいいんだ」
そして全ての歯車が 狂い始めた。