狂愛されし少女の夢現




( フラン )


何かが 私の中から消えて行く。


( お姉ちゃん )


一つ、また一つ、それは少しずつ けれど確実に 崩れて行く。


その壊れて行くものを必死に思い出そうとするけれど、


『んっ、』


彼から与えられるご褒美に、思考は動かなくなっていき、
ただ必死に 口の中に与えられる彼の血を、飲んでいく。



( ―――・・・・ )



なにかが、消えてしまった。
私の中から、それは無くなってしまった。


けれどそれが一体何なのか、分からない。



ただ今感じるのは 彼からの愛撫だけ。


『セシル様、』



何度傷付けられろうと、彼は必ず 愛をくれる。

そのせいだろうか、こんな気持ちになっていくのは。

彼の愛に、溺れていってしまう。
もがけばもがくほど、抜ける事は出来ない。



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