狂愛されし少女の夢現
*1
【 *1 その瞳 紅に染まる 】
『ひっ・・・・』
鋭いナイフが頬を掠って壁に突き刺さる。
ツー、と血が一筋 白い肌に流れ落ちる。
「いいねぇ、その表情(かお)」
『やめ、て…下さい…』
「だーめ。 こんな楽しい事 止めるなんて勿体ない」
ナイフをいくつか手に持っているその男は、壁に縛りつけられた少女の顎をクイ、と上げる。
「ねぇ、恐い?」
『は、い…』
怯えた瞳で訴えれば、彼は嬉しそうに微笑んで、
「じゃぁ、もっと啼いてね」
そのナイフで、彼女の腕に一筋の線を入れる。
ナイフを追うように、血は溢れ出、 部屋には少女の叫び声が響く。