BOOKS
Holiday 休日
和希とジェラートを食べに行った翌日。
この日は土曜日で、純花は本屋にいた。
来週に迫った和希の誕生日のためにケーキのレシピ本を探しに来ている。
めぼしい本を手に持ち、新刊コーナーに向かった。
休日の昼間ということもあって、人が多くいつもは見通しがいいこのフロアーも、今日はその表情を変えていた。
1歩ずつ目的地まで進んでいく。
純花の目の前にあった人垣がひくと、その人が立っているのが見えた。
この偶然が嬉しくて無意識に小走りになる。
自然と口元に笑みがこぼれる。
今まで休日に彼に会ったことは無かった。
休日の彼の姿を見てみたかった。
ただそれだけだった。
しかし純花の足は急に進むのをやめてしまった。