BOOKS
純花は、彼の休日の姿を目にしたかっただけだった。
それは叶った。
ただその光景は、純花が想像していたものではなかった。
いつものスーツ姿から一変したシャツにジーンズというラフなスタイル。
細身で長身の彼には、すごく似合っていた。
そんな彼の腕には、女性のそれが絡まっていた。
長く豊かな黒髪を背に流し、黒のシルエットが美しいワンピースに、ヒールの高いパンプス。
2人は、初めから対であったのではないかと思うくらいにお似合いの2人だった。
彼は親しげに彼女に笑いかけ、会話に花を咲かせていた。