゚。*Dear Snow*。゚
キーンコーンカーンコーン…
あれから俺達のクラスは、ずっと遊んでいた。
勿論作品が出来ているわけもなく…。
「作品完成してないクラスは居残りして作れ〜」
「「え〜〜!」」
クラス全員が不満の声を出した。
「どーしよー俺部活なんだけど」
「俺も〜」
…なんだか皆大変そうだな…
「皆帰っていいよ。俺、作品作るから」
「えっ、いいのかよ!?」
「大変じゃない?私、手伝うよ…?」
「いや、いいよ。」
皆がいたらまた遊びだしちゃいそうだし…
それに俺、こういうの得意だし。
「じゃ、任せたぞ〜!」
「ん、バイバイ」
皆が帰っていく。
「…さて、と。何作るかな…」
参考がてら、他のクラスの作品を見ようと辺りを見回した。
「…ん?」
女の人がこちらに向かってくる。
どんどん近づいてくるにつれて、姿がはっきりしてくる。
半袖の、俺が持ってる服を着ていて、顔がすごく可愛い。
もしかして…あの時の…?
「何してるの…?」
彼女に話し掛けられた。
「ゆ、雪でアートを作らなきゃいけなくて…」
「…そう。」
それだけ言うと彼女は、黙って俺の隣にきた。
「…あ、あのさ…俺達、昨日も会った…よね…?」
「……」
コクリ、と彼女が頷いた。
やっぱり、あの時の子だったんだ…。
「…アート、何作るの?」
「へっ?あ、ああ…それが、まだ決まってないんだよね…」
アートのことなんて、すっかり忘れてた。何作ろう…
「そうだ!ね、モデルになってくれない?」
「…私が…?」
テーマは、雪女とかでいいだろう。
「ただ立っててくれてるだけでいいから!」
「…わかった」

それから、2時間後。アートは完成した。
「やっと完成した…ありがとう!」
「別に…私、ただ立ってただけだし…」
「そんなことないよ。君がいたから、アート完成できたんだから。…そういえば、名前きいてなかったね。名前は?」
「…名前?…名前は…ない」
「な、ない?親に付けられてないの?」
「親…いないし。」
「そ、そっか…じゃあ、俺が名前、つけてあげるよ!」
「…!」
彼女が驚いたように、俺を見る。
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