ごく当たり前の日常から
私は、マスターが教えてくれた奥の席の方に足を運ばせる。


「…こんにちわ、草壁さん」

「夕霧さん、こんにちわ」


私は椅子に腰掛けると、夕霧さんの私服姿を見つめた。


若々しい姿に身を包んだ夕霧さんは、凄く素敵で格好良さが引き立って見えた。


「どうされましたか?」


「いえ…前とは、雰囲気が違って…その、素敵だな、と思いまして」


恥ずかしくなり、俯いて喋っていたが、言葉を言い終えて顔を上げると、そこには、照れ臭そうに、頬を染めている夕霧さんがいた。


「…あ、ありがとうございます…えと、草壁さんも…とても素敵ですよ」


はにかみながら、私の洋服を褒めてくれる夕霧さんに、胸の鼓動が早く脈打つ。


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