偽装婚約~秘密の関係~
それから何か言わなければいけないと思ったが、でも何から言えばいいのか分からなくて。
だから黙っているとジュウゴが口を開いた。
『もちろん、親の犠牲になったのは俺たちだけじゃない。
晴弥とあずさだって、また、同じだ。
2人が付き合ってることは、知られちゃいけないことだった。
あずさには俺と同じく、許婚がいたんだ。
その許婚は遊馬電器のライバル会社の御曹司。
考えなくても分かるだろ?沙羅。
もし、バレたらあずさと晴弥は別れさせられる。
だから2人は周囲に付き合ってることを隠してた。
でも、ある日。
この話は学校中に広まった。
どこからもれたのかは分からない。
でも、ウワサはすごいスピードで広まっていった。
なんて言っても学校1の美少女と学校1の美青年の熱愛、だからな。』
俺は腕を組んでジュウゴの声を聞きながら、目をつぶった。
そしてあのときのことを鮮明に思い出していた。