偽装婚約~秘密の関係~
『あずさ。悪いが本音を言わせてもらう。
俺は遊馬電器を継ぎたい。
そのためには家を捨てるワケにはいかないんだよ。
それに俺はもうお前に飽きた。
最初から俺は本気じゃないんだ。』
サイテーだな…俺。
何言ってんだよ…マジで。
あずさのこと、傷つけたくない。
そう言っておきながら現にこんなにもあずさを傷つけてる。
「…ウソ…っ!
ねえ、ウソでしょ?
晴弥ぁ…ウソって言ってよ…っ!!」
『ウソじゃない。
もう俺につきまとうな。』
行くぞ、瑞季。
そう声をかけ、俺はあずさに背を向ける。
「晴弥…ヤだよ…っ…
行かないでよ…っ…晴弥ぁ…!!」
うまく、呼吸ができなかった。
今にも振り返ってあずさのもとへ駆け寄って。
抱きしめて、ごめんな、そう言ってやりたかった。
でも…俺はそんなことをしちゃいけない。
ごめん、あずさ。
そのままどうか俺のことキライになってくれ。
それで幸せになって。
俺は…ずっとあずさの幸せを願ってるから…
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