偽装婚約~秘密の関係~
予定外
「ただいまー!」
あれから、沙羅の機嫌はすっかり直り、
昨日までただいま、すら言わなかった沙羅も今や、この通り。
『………っ!
さ、沙羅様!』
いつも通り家の中に入ろうした瑞季が沙羅の腕を掴む。
「どうしたんですか?」
そう言う沙羅の後ろにあるモノを見つけてしまった。
『晴弥様…これは、まさか…』
『多分、そのまさかは…正解だな』
なんで、なんだよ。
そうやっていつも突然なんだから。
帰ってくるときくらい、連絡よこせ、ってーの。
「どういうことですか?」
眉間にシワを寄せ、沙羅が詰め寄ってくる。
すると
「あらあら。
そんな顔してたらせっかくのキレイな顔が台無しよ?」
そんな声が聞こえて。
あー…もう登場かよ。
沙羅の後ろに見たモノは靴。
持ち主は、海外にいるはずの両親。