偽装婚約~秘密の関係~
『晴弥。
初心者の沙羅にこのハードさは辛すぎるだろ』
苦笑いのジュウゴ。
ホント、沙羅には甘いよな。
『仕方ないだろ。
沙羅の半年を俺は買ったんだ。
その分、働いてもらわないとな』
この言葉で沙羅が俺を睨んだことはもはや、言うまでもない。
『それに、多分、ここが正念場だ。
ここを越えればあとは楽に過ごせるはずだから』
『だってさ、沙羅。
どうだ?頑張る気になれたか?』
「……やるしかないんだったらやるわよ」
ずいぶんと不機嫌そうだが、そう言ってもらえるとこっちも助かる。
『じゃ、もう一頑張りしてこい。』
「頑張れ!沙羅!」
2人にエールをもらった沙羅は少し、元気になっていて。
『よし、行くぞ』
「うん」
俺たちはまた、あいさつ回りを再開した。